ここに引っ越してきて、15年。
母子家庭10年。
ワンオペの育児の相談を聞きながら、贅沢言ってんじゃねえ、と思いながら、過ごした頃もあった。
40キロギリギリまで痩せたこともあった。
難病が2個も発症した。
それでも働き続けたのは、私が働けなくなったら、子どもは施設行きだからだ。
息子のサッカーの送迎、挫けそうになったら、チームのみんなが助けてくれた。
娘が学校に行けなくなって入院して、私まで倒れかけても、みんなが支えてくれた。
ここで再び公務員になったのは、その仕事が好きだったからじゃない。
体の弱い私が安定して子どもを育てるには、それしかなかったからだ。
最後はパワハラでつらかった。
誰も助けてくれなかった。
幸いにも、2人の子どもの大学までの学費は、財形貯金に退職金を合わせれば、間に合うことが分かった。
わたしは公務員を捨てることにした。
18歳の頃の夢に、20年のブランクを乗り越えて、挑戦することにした。
私は、ホスピスのナースになりたかった。
人の死に向き合い、亡くなる方も、残される方も、良かった、って思えるお手伝いをすること。
それが私の夢だった。
つらかった日々は、文字通り「天使への階段」だったんだと思う。
私は明日から、天使に戻ります。