なるこの夢ばかり

ナルコレプシーです。家族みんなadhdです。リア充のために本音はここに置いていきます。

ボヘミアン・ラプソディー(ネタバレあり)

この感想文を書くのに、ちょうど1週間かかった。

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感想① 英語が聴き取れる能力が残っていてよかった。随所に出てくる「beautiful!」を、聴き落とさない程度に。

 

感想②12月に恋人と見に行くべき映画。

12月1日は、世界エイズデー

 

感想③応援上映に行くことに決めて、もうチケット取った。一緒に歌いたい。応援上映、歌詞が字幕で出るらしい。

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[フレディ・マーキュリーセクシュアリティ、名前、人種その他について]

いろんなジェンダーで彼を分類しようとするけれど、ジェンダーはフリーなわけで、例えば「LGBTのうちのどれ?」なんて質問は愚問だ。フレディは分類にとらわれなかった、それを超越していた、と、パンフやいろんな解説に書いてあるけれど、彼に限らず分類できない人はたくさんいるし、私もそうかもしれない。そもそも分類は必要なのか。マイノリティ(少数者)と言うけれど、マイノリティと呼ばれている人を集めてきたら、むしろその方がマジョリティなのではないか。そしたら、セクシュアリティで人を分類すること自体が意味をなさない事に気づく。それは、国籍や民族、人種も同じ。それで分類されることに、意味をなさない事もある。

彼は「フレディ・マーキュリー」だった。彼自身が自分をそう呼びたがり、そう呼ばれたがったのだから、彼はフレディ・マーキュリー、とだけ認識すべきだ。あえて肩書きをつけるなら、「Queen(彼の家族)のリードボーカルフレディ・マーキュリー」が適当だろう。ただし、あなたが心の中で「私の女神、フレディダーリン♡」と呼ぶ事も、自由だ。


[フレディとメアリーの関係について]

彼と彼女は恋人同士であった。婚約者であったのは6年間かもしれないけど。恋人を上回る友人、でもない。ただの普通の恋人同士だ。と、私以外にも、「生涯友人であり続けた」という解説に「??」となった人は多いだろう。

でも、メアリーは結婚し、子どもがいる。フレディと最後に居た彼は、最後まで恋人だったと言ってそれを誇りに生きている。

生きている人が、生きやすいためには、生きている人の表現に合わせるのが最も合理的で、誰も不幸にならない方法だと思う。

映画を観た人が、「絶対あいつら恋人やん」と思っても、それは自由。そう思っておけばいい。

フレディも、「彼女とは親友だった」と、死後の映画で語られることを喜ぶだろう。愛する人の幸せを、願い続けるだろう。


[ラミ・マレック(フレディ役)について]

どこかで見たことあると思ったら、ナイトミュージアムの王子様だった。

すごすぎる。素敵すぎる。この人のこと、私はずっと好きだし、次の映画も見るだろう。

シザーハンズの頃から、ジョニデが好きなように。


[HIVエイズについて]

大学の頃、エイズ教育について研究をしていた。性教育をやりたくて、養護教諭を目指した。保健師だから二種免許は取れたけど、教員採用試験は断念。

でも、まわりまわって、中高生の性教育の講師のお仕事ができたり、HIV検査のカウンセリングができたり。12月の街頭キャンペーンや、啓発イベントなんかも、たくさん参加させてもらえた。参加者としても、スタッフとしても、企画者としても。夢は忘れなければ、形を変わるかもしれないけど、必ず叶う事を知ったエピソード。

フレディ・マーキュリーのことは、そんな私は、仕事のエピソードのひとつとして知っていた。仕事のBGMは、ポップでハートフルだった。彼が発症せず生きていたら、もう、高齢者。HIVが、必ず死ぬ病気ではなくなった今は、HIV感染者たちが高齢者になり、新しい問題が出てきた。介護の問題、施設の問題。

いろいろ、私たちが考えなきゃいけないことは、増えていく。HIVポジティブかどうかは、水痘ウイルスの潜伏による、帯状疱疹が出るか出ないかに似ていると思う。そう考えると、個性がひとつ増えただけ、当たり前のことになる一方、危機感や意識の低下に繋がらないとも限らない。

だから私は、12月には、赤いリボンを胸につけて仕事をしている。「思う」こと、それがとても大切だと思う。

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[私のこと]

この間、長年の夢だった、「恋人ができたら、一緒に手を繋いでエイズ検査に行きたい」という夢を叶えてもらった。

HIV検査の仕事をしながら、仲良く来て、お互いに結果を見せっこして、仲良く帰る恋人たちをたくさん目にしてきた。私も、やってみたかった。結果はわかっていても、それはとても素敵な時間だった。受けに行くだけで満足して、まだ結果聞きに行ってないけれど。

大学生の時に、スーパーバイザーの先生から、「エイズの人の気持ちを知りたければ、まずエイズ検査に行ってみろ」と言われた。

共同研究をしていた親友と2人で、保健所に行って検査を受けた。今は迅速検査で40分で結果が出るけど、当時は3週間後に、もう一度保健所に行かないと結果は出なかった。

心当たりがなくても、3週間は長かった。親友とは、その話題に触れなかった。

3週間後の夕方、バス停から保健所まで歩く15分の距離がとても遠かった。当時の保健所の冷たい空気(今はツリーが飾ってあって、ジャズが流れてるよ)オレンジ色の封筒、渡されたハサミで「自分で切って、見てください」と言われた、あの切る手応え、感触、はっきりずっしり覚えている。

それからの人生で、HIV検査は何回か受けている。妊娠するたび検査されるし、入院するたび検査されるし。だから、結果はわかっているけど、でも、行って、結果の見せ合いっこを、してみたかった。でも、「いいね、行こう」と言ってくれる人とは、なかなか出会えなかった。それが現実社会なんだよね。

 

そして、今週末、ボヘミアン・ラプソディー応援上映に行く。映画全体の感想を書いてなかった。とても綺麗で、愛に溢れた、幸せで泣ける映画だ。いっぱい泣いた。

週末は、一緒に歌ってくる。1年くらいは真面目に音楽部(軽音部)だった私の後ろでいつも流れてた曲たちだから、きっと歌える。歌詞は全部、字幕で出るから、覚えなくていいらしいよ。

楽しんでこよう。メリークリスマス。

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